産後の膣のゆるみ・締まりを改善するには?
産後に膣の締まりが弱くなり、ゆるみを感じている女性は少なくありません。膣がゆるんでしまうと残尿感や膣内に異物感が出て不快に思ってしまう人も。また、性生活に不満を抱く場合もあります。産後の膣のゆるみを、放置した場合のリスクや膣のゆるみを解消に導く方法について解説します。
産後はなぜ膣がゆるむ?
膣がゆるんでしまう原因は、骨盤低筋群の筋肉量の低下が挙げられます。骨盤底筋群は骨盤の底の部分にある筋肉であり、膀胱、子宮などを支える筋肉のことです。筋肉量の低下には、加齢や運動不足のほか出産が原因となる場合もあります。
出産時、赤ちゃんは体をねじって産道を通り抜けてきます。その際に膣と膣周辺の筋肉が無理に伸ばされる状態になるため、膣の内側が広がってしまい引き締める力が低下してしまうのです。
膣のゆるみを放置するとどうなるか?
膣のゆるみは膣周辺の筋肉が関係しています。膣周辺の筋肉には子宮や膀胱などの臓器を支える役割があるため、筋力の低下を放置してしまうと臓器を支えられくなり、子宮が膣から出る「子宮脱」につながる可能性があります。
子宮脱は50代を過ぎた女性に多い病気であり、膣内に異物感がある、頻尿、排尿困難などといった症状が一般的です。
子宮脱になった場合、手術によって治療を行わなければなりません。また、膣のゆるみによって男女共に性生活に不満を抱く夫婦やカップルもいます。骨盤底筋群が開くことによって、便漏れ、体型の崩れなど様々な症状が見られるため、しっかりと対策を行うことが重要です。
膣のゆるみを自力で治す方法はあるの?
膣のゆるみに関して、ある程度自分で対処することができます。産後の膣のゆるみに良いとされる、エクササイズを紹介しましょう。
クッションを使ったエクササイズ
まず、丸めたクッションや厚手のバスタオルなどを両足でまたぐようにして座ります。
そのまま、クッションに座った状態で膣を意識して深呼吸をしましょう。口から大きく息を吐き、膣を引き上げるイメージで力を入れます。力を入れた状態で3秒維持したら、息を吸いながら肛門と膣をゆっくりとゆるめましょう。この一連の流れを5~10回繰り返します。
膝が痛くて床に座れない場合は、椅子に座って行っても問題はありません。その際に、床と骨盤が垂直になることを意識して背筋をしっかり飛ばすのがポイントです。
横になって行う膣トレ
体を仰向けにした状態で両膝を立て、足の間は腰と同じ幅程度に開き、両手は「ハの字」にして床の上に力を抜いておきます。ゆっくりと呼吸をしながら、肩甲骨、肩、腰を浮かせます。
その際、背骨を1つ1つゆっくり上げるように持ち上げることがポイントです。腰が反らないように注意し、足は動かないようにしましょう。息を吸って腰を浮かせたままの状態をキープし、大きく息を吐きながら両膝を落とします。再度息を吸いながら元の幅まで膝を広げる動きを3回ほど繰り返しましょう。膝を閉じる動作によって骨盤底筋群が引き上がる効果が期待できます。
基本的に3~5セットを繰り返すことと良いでしょう。注意点として、膣トレは骨盤を締める運動になるため、骨盤が緩んでいる生理中には無理して行わないようにしてください。
膣のゆるみ・締まりを早めに解決するならクリニックに相談する
産後に限らず、年齢を重ねるにつれて女性の誰にでも起こりうる症状が膣のゆるみです。しかし、他人には相談しにくい内容であり、1人で悩んでしまう人も少なくありません。デリケートな悩みを長く悩み続けてしまうと、心身ともに疲れが出てしまうものです。早めの解決を目指すなら、信頼できる医師を見つけて相談しましょう。