注入法による膣縮小術
膣のゆるみ解消や、締まりをよくしたいとお考えなら、注射による治療で膣内に傷跡が残らない注入法による治療がおすすめです。詳しい治療方法とその種類、メリット・デメリットを解説します。
注入法の治療内容とは?
まず、注入法による治療は、膣の広がりが比較的軽度な方におすすめです。 膣の内側の壁(粘膜下層より奥の筋肉層)にヒアルロン酸や、やわらかいゼリーのような素材であるフィラーを注入することで、広がった膣内腔を狭くする方法になります。
液体が注入された分だけ、物理的に内腔が狭くなり、引き締めがよくなるわけです。施術時には局所麻酔を行うため、痛みはほとんど感じません。素材により、1~2年保つものから、半永久的に効果が持続するものまであります。(※個人差があります)
注入法のメリット・デメリットとは
メリット
メスを使用しないため傷跡が残らない
術後の通院が不要
施術は短時間で終わり、入院も不要
将来的な出産への影響がない
デメリット
2~3回程度注入をしないと、満足のいく結果が得られにくい場合がある
効果がなくなるたびに施術を行う手間がある
ヒアルロン酸は1~2年ほどで吸収されるため、効果が持続しない
何度も施術を行う場合、トータル的なコストが高くなる
注入法の治療名
オリジナルハイドロフィラー
膣内専用の、ヒアルロン酸を注入する方法で、1~2年は効果が持続するとされています。 膣縮小治療では、バスト用のヒアルロン酸で代用する場合もありますが、オリジナルハイドロフィラーは膣内専用のヒアルロン酸であるため、長持ちしやすいのが特長です。
特徴
- 膣内専用設計: 膣粘膜との相性が良く、他の部位用ヒアルロン酸に比べて効果が持続しやすい。
- 非手術的アプローチ: メスを使わず、注射のみで施術が完了する。
- 即効性: 施術直後から効果を実感できる。
メリット
- 傷跡が残らない: 切開を伴わないため、術後の傷跡がない。
- 短時間施術: 施術時間が短く、入院の必要がない。
- 将来の出産への影響が少ない: 非侵襲的な方法のため、将来的な出産に影響を与えにくい。
- 効果の持続: 個人差はあるが、1~2年程度効果が持続する。
注意点
- 効果の一時性: ヒアルロン酸は体内で徐々に吸収されるため、効果は永久的ではない。
- 複数回の施術の可能性: 満足のいく結果を得るために、複数回の注入が必要な場合がある。
- コスト: 効果を維持するために定期的な施術が必要となり、長期的には費用がかさむ可能性がある。
- しこり形成のリスク: ヒアルロン酸が完全に吸収されず、しこりとなる可能性がある。
プレミアムボリュームフィラー
ゼリーのような感触の注入素材で、ヒアルロン酸よりも長期的に形を保ちやすくなっています。2年経過後も、約70%の引き締め効果が持続すると言われています。体内に物質が残ることにはなりますが、より長い効果を得たい方におすすめです。
特徴
- 即効性: 注入直後から効果を実感でき、膣内のスペースが縮小されます。
- 非手術的アプローチ: メスを使用せず、注射のみで施術が完了するため、身体への負担が少ないです。
- 一時的な効果: ヒアルロン酸は体内で徐々に吸収され、効果は1~2年程度持続します。
メリット
- ダウンタイムの短さ: 切開を伴わないため、術後の回復が早く、日常生活への影響が少ないです。
- 性感向上: 膣内が狭くなることで、性交時の感度が向上し、満足度が高まる可能性があります。
- 膣乾燥の改善: ヒアルロン酸の保湿効果により、膣内の乾燥や性交時の痛みが軽減されることがあります。
注意点
- 効果の持続期間: ヒアルロン酸は時間とともに吸収されるため、効果を維持するには定期的な再注入が必要です。
- 施術者の技術: 注入部位や量によって効果が異なるため、経験豊富な医師による施術が推奨されます。
- 費用: 効果を維持するための再注入や施術費用がかかることを考慮する必要があります。
- 副作用の可能性: 稀に腫れや内出血、感染症などのリスクがあるため、施術後のケアや注意が必要です。
韓国式パールフィラー
非毒性の安全素材から作られたフィラーで、一度注入すると効果は半永久的に持続します。万が一の際には取り出し可能な点も、ほかの素材にはないメリットです。 韓国では急速に人気が高まっている、短時間かつ痛みの少ない施術となっています。
特徴
- 非吸収型インプラント: パールフィラーは、鼻や顎の形成にも使用される非吸収型のインプラントを使用し、膣内に注入します。
- 長期持続効果: 一度の施術で効果が約2年間持続し、定期的な通院が不要とされています。
- コラーゲン生成促進: 注入後、周囲に薄い膜を形成し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進する成分が含まれています。
メリット
- 即効性: 施術直後から効果を実感でき、膣の引き締めが期待できます。
- 非手術的アプローチ: メスを使用せず、注射のみで施術が完了するため、身体への負担が少ないです。
- ダウンタイムの短さ: 施術時間は約10分と短く、ダウンタイムは1週間程度で、日常生活への影響が少ないです。
- 膣の老化防止: コラーゲンやエラスチンの生成を促進することで、膣の老化を防ぐ効果も期待できます。
注意点
- 施術者の技術: パールフィラーは新しい技術であり、確かな技術を持った医師のもとで施術を受けることが重要です。
- 費用: 他の注入法に比べて高額であり、一度の出費としては大きいとされています。
- 出産への影響: 出産時にフィラーが押し出される可能性があるため、将来的に出産を予定している方には不向きとされています。
- 長期的なリスク: 非吸収型のため、長期間体内に残ることによる感染のリスクがゼロとは言えません。
脂肪注入(脂肪細胞注入)
脂肪注入(脂肪細胞注入)とは、自分の腕やお尻、お腹などから脂肪を吸引して採取し、その脂肪細胞を膣の粘膜に注入することで、膣の内腔を狭くする膣縮小の治療法です。妊娠・出産・加齢などでゆるんでしまった膣に効果があります。
注入材には、自分自身の脂肪を使っているので違和感がありません。そして、脂肪細胞はヒアルロン酸のように吸収されないので、効果を持続させることができます。
施術は一般的に、注射器を用いて採取した脂肪を注入する方法がとられます。比較的短時間で行うことができ、メスを用いないので傷跡や痛みも少なく済みます。
特徴
- 自己脂肪の利用: 太ももや腹部から採取した自身の脂肪を使用するため、異物反応やアレルギーのリスクが低いです。
- 自然な仕上がり: 注入された脂肪が膣壁に生着し、自然な感触と柔軟性を持つ膣を再構築します。
- 非手術的アプローチ: メスを使用せず、注射のみで施術が完了するため、身体への負担が少ないです。
メリット
- 長期的な効果: 注入された脂肪が生着すると、効果は半永久的に持続するとされています。
- 低リスク: 自己組織を使用するため、感染や拒絶反応のリスクが低く、安全性が高いです。
- 追加の美容効果: 脂肪採取部位(例: 太ももや腹部)の脂肪が減少するため、部分痩せの効果も期待できます。
注意点
- 脂肪の生着率: 個人差がありますが、注入された脂肪の一部は吸収される可能性があり、効果が完全に得られない場合があります。
- 複数回の施術の可能性: 希望する効果を得るために、複数回の施術が必要となる場合があります。
- ダウンタイム: 脂肪採取部位に内出血や腫れが生じることがあり、回復までに時間がかかることがあります。
- 施術者の技術: 脂肪注入は高度な技術を要するため、経験豊富な医師による施術が推奨されます。
注入法による膣縮小の費用相場
注入法による膣縮小には大きく分けて二つの方法があり、値段にも違いがあります。安価なのはヒアルロン酸を注入する方法で相場は15万円程度、脂肪細胞を注入する場合の相場は23万円程度となっています。
どちらもフィラーを注入するという点では変わりませんが、脂肪注入では事前に脂肪の採取が必要になるので、相場もお高め。一方、相場が安いヒアルロン酸注入は、施術後、徐々にヒアルロン酸が吸収されてしまいますので、定期的な施術が必要になります。
注入法のリスク・副作用・注意点
ヒアルロン酸注入による膣縮小のリスク・副作用・注意点
効果が半永久的には続かない
ヒアルロン酸は体内にもともと存在する成分のためアレルギー反応が出ることはほとんどありません。施術後は、その直後から効果が実感できますが、3か月から1年ほどかけてゆっくりと体内に吸収されていきます。
そのため効果は半永久的なものではなく、持続させるためには定期的に施術を受けていく必要があります。比較的安価な値段設定になっている場合もありますが、持続期間などを総合的に考えるとトータルコストが高くなる場合があります。
しこりによる形状変化のリスク
ヒアルロン酸が体内へ吸収されていくスピードは、部位や注入方法によって変わります。完全に吸収されずに残ってしまうこともあります。その残ってしまったヒアルロン酸がしこりとなり、場合によっては膣の形状が不自然になってしまうケースもあります。
こういったトラブルは質の悪いヒアルロン酸で起きやすいため、極端に安価なヒアルロン酸注入は避けたほうが無難です。
脂肪注入による膣縮小のリスク・副作用・注意点
脂肪の定着率には個人差がある
注入した脂肪細胞が100%定着することはありません。個人差がありますが40%~90%とばらつきがあり、人によっては複数回の施術を受けなければ満足のいく成果が実感できない場合もあります。
その都度費用も時間もかかり、負担が大きくなるといったことも考えられます。
感染症のリスクがある
脂肪注入による失敗例として挙げられるのが感染症です。脂肪を吸引して抽出した脂肪細胞を膣内に注入する際、雑菌が混入してしまうことで起こります。
脂肪採取や注入の際の技術の進歩で安全性が高まり、リスクは低くなってきていますが、もし感染症が起きてしまうと、腫れ・痛み・発熱などの症状が出て、炎症の範囲が広くなると「蜂窩織炎」や「敗血症」といった命にかかわる重大なトラブルになることもまれにあります。
こうしたリスクを避けるためには、衛生環境が整えられている、信頼できるクリニックで施術を受けましょう。