萎縮性膣炎とは?
萎縮性膣炎の原因とは?
萎縮性膣炎とは、主に女性ホルモンの分泌が低下することによって起こる疾患です。閉経後に発症することが多いのですが、卵巣摘出やホルモンの病気などでも症状が見られることがあります。女性であれば誰でも発症する可能性がある症状です。
症状:膣が委縮して起こる炎症・痛み・かゆみ
萎縮性膣炎の症状は主に、炎症による痛みやかゆみです。また、膣の乾燥による性交痛、頻尿、黄色いおりものや悪臭などの症状が出ることもあります。症状には個人差がありますが、普段となにか違うと感じたら、婦人科などへ相談してみましょう。
原因:膣の粘膜が薄くなることで起こる
萎縮性膣炎の原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、膣の粘膜が薄くなってしまうこと。膣の粘膜にうるおいがなくなり、乾燥することによって、細菌も増加。膣の自分で洗浄する力もなくなり、膣炎がおこりやすくなるのです。
治療方法:薬あるいはレーザーによる治療が選べる
正しく治療をおこなえば、症状は軽快してきますので、あまり不安になる必要はありません。薬剤によるものとレーザーによる治療がありますので、ご紹介しましょう。
膣座薬(エストリオール製剤)
膣に局所投与するお薬です。エストリオールは女性ホルモンとして作用して、膣内部の自浄作用を促進。膣内の粘液を回復させて、炎症を抑える効果があります。
エストロゲン製剤
腟内が乾燥している状態だと、座薬を入れても内部で融解せずに流れ出てしまう場合もあります。そのような場合には、エストロゲン(女性ホルモン)を配合したクリームなどを併用することもあります。
塗り薬
かゆみがひどい場合などは、対症療法的に市販のかゆみ止めなどを使用するとよいでしょう。とりあえずは、かゆみをとめることに効果はありますが、粘膜の萎縮など疾患の根本を改善させるものではありません。かゆみなどの症状が軽快したら、必ず婦人科などで診察を受けてください。
モナリザタッチ
萎縮性膣炎には、レーザーによる治療方法もあります。モナリザタッチは、膣専用レーザー治療器のひとつです。顔の治療に用いていた炭酸ガスレーザーを外陰部や膣壁に照射することによって、細胞を刺激します。刺激を受けた細胞は活性化して、うるおいが出るようになります。治療後は翌日からでも入浴できるため、ダウンタイムはほとんどありません。
萎縮性膣炎の予防方法
萎縮性膣炎は、日常生活のなかで気をつけていけば、症状を軽くすることができます。
定期的な性交渉
パートナーがいる方は定期的にセックスをすれば、症状を軽くすることが期待できます。セックスによって膣内の血流が促進され、膣の粘膜が回復するためです。乾燥により痛みがある場合には潤滑油の使用をおすすめします。
ビタミンDを摂取
ビタミンDは、ホルモンに似た構造を持っていて、体内に入ると女性ホルモンの生成に役立ちます。女性ホルモンが増加すれば、膣内にうるおいもでてきて、乾燥も緩和されるでしょう。
日常生活で、体調を整える努力を
寝不足や過食を避け、なるべく規則正しい生活を送るようにしましょう。体調を整えておけば、ホルモンバランスも保たれますし、免疫力も維持されます。
外陰部に過度な刺激を与えない
入浴時に強く外陰部を洗ったり、かゆみがあるからといって掻いてしまうのは避けましょう。過度な刺激は膣を傷つけてしまったり、乾燥をひどくさせてしまったりする原因となります。
通気性に気をつける
通気性が悪かったり、締め付け過ぎたりすると、蒸れて細菌が繁殖する原因となります。また、締め付けすぎると血行が悪くなり、膣炎が悪化してしまうこともあるので、下着は通気性がよく締め付けの少ないものを選びましょう。