性交痛にはどんなタイプがあるの?更年期との関係は?
パートナーに言いたくても言えない悩み。それが、性交痛。大切な夜に、いざセックスをするにおよび、内心は「痛くて入らない」「入れると痛い」という状況と闘っている女性は、決して少なくはないようです。ここでは、実際には多くの女性が経験していると言われる性交痛について、その症状のタイプ、および更年期と性交痛との関係、医療による症状改善の可能性について詳しくご紹介します。
性交痛には主に次の3つのタイプがある
性交痛の主な症状として見られるのが以下の3つ。以下のいずれかの症状が単独で現れることもあれば、複数の症状が同時に現れることもあります。
膣の入り口が痛い
膣の入り口が痛いということは、基本的に、膣が十分に濡れていないということ。その状態で無理にペニスを挿入した場合、入り口だけではなく内部まで痛みを伴うことがあります。
膣が十分に濡れていない理由は、前戯が不十分なことや心理的な不安など。パートナーもよく状況を見ながら挿入に臨む必要があるでしょう。
膣の中が痛い
入り口はスムーズに通ったものの、膣の中でヒリヒリとした痛みを感じることがあります。
膣の中で痛みが生じる理由には多々ありますが、代表的な理由は、膣が狭いことやペニスが大きいこと。ほかにも、コンドームの素材に対するアレルギー反応や膣周りの筋肉の低下などが、膣の中で性交痛が発生する主な原因となります。
膣の奥のほうが痛い
入り口も中も問題ないものの、膣の奥のほうが痛くなる性交痛もあります。
奥のほうが痛くなる主な理由には、後背位などの体位の問題、奥まで突くようなセックスの仕方、パートナーによる激しい腰の運動などがあります。まれに婦人科や内科、泌尿器科系の病気が原因で奥のほうが痛むこともあるので、痛みが強い方や毎回痛む方は、一度、医療機関を受診するようおすすめします。
更年期と性交痛に関連して覚えておきたいこと
更年期だけが性交痛の原因ではありませんが、更年期が性交痛の一因であることは確かです。以下、更年期と性交痛に関連した3つのポイントを理解しておきましょう。
エストロゲンの減少が性交痛の遠因となる
更年期とは、女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が急激に減少する期間のこと。エストロゲンの減少により、体にはさまざまな症状が現れますが、それら症状の中に、膣に関連するものがあります。具体的には、膣の乾燥、濡れににくさ、傷付きやすさなどです。これら更年期にともなう膣の環境変化は、性交痛の主な要因の一つとなります。
更年期における心の不調も性交痛の原因の一つ
更年期における主な症状の一つとして、心の不調があることも有名。気分が落ち込み、とてもセックスをやりたいと思えるような心理状態ではないときもあるでしょう。そのようなタイミングでパートナーからセックスを求められても、なかなか十分に膣は濡れません。結果、性交痛に耐えながらセックスの時をやりすごす、という女性も多いのではないでしょうか。
更年期ではなくても性交痛は起こる
更年期ではなくても多く見られる性交痛。中でも特に、産後や整理前、久しぶりにセックスをするときが、更年期以外でよく見られる性交痛のタイミングとして知られています。
産後は、膣や子宮が十分に回復していない状態。そのような中でセックスを行えば、性交痛を感じることもあるでしょう。また生理前においては、子宮が下へ降りてきているためにペニスが子宮口に触れて痛みを感じることがあります。久しぶりにセックスをする際にも、まるで初めてセックスをするときのような感覚となり、性交痛を感じることがあるようです。
これらのように、更年期以外での性交痛も、決して珍しくはありません。
専門知識を持った医師に相談することが大切
性交痛の原因には様々なものがあり、原因によっては病院での治療で治せるタイプのものもあります。たとえば、子宮内における何らかの病気や加齢・更年期による性交痛です。
一方で、パートナーとの間の心理面が原因の性交痛などは、医療の力で改善を図ることができません。当事者同士での信頼関係の構築や市販の潤滑ジェルの使用など、医療とは異なる方法で性交痛の改善を図ることになります。
いずれの原因による性交痛であれ、もとより、医療の力で治せるタイプの性交痛かどうかを知ることが前提。これを知るためには、医療機関を受診する必要があります。
性交痛にお悩みの方で、かつ症状の緩和を目指したい方は、専門知識を持った医師に相談してみることをおすすめします。